何年も前からいい言葉ねっとというサイトのメルマガに登録していていました。
先日、メールの整理をしていてもうメルマガの配信はやめたのですが、せっかくなので時間がある時に今までのメールをチェックしてみました。
毎日送られてくるので大量すぎてパパっと斜め読みなのですが、中にはヒットする言葉もあるものです。
人間には 行方不明の時間が必要です
なぜかはわからないけど
そんなふうに囁くものがあるのです
三十分であれ 一時間であれ
ポワンと一人 なにものからも離れて
うたたねにしろ 瞑想にしろ (茨木のり子)
あー、本当にそうだよね。
行方不明の時間、必要必要!
↑こんないろんな感情から逃れたい時には特に必要です。
ポワンと一人っていう表現すごくいいなあと思います。
そういう時間があるからこそ、いろんな人と会うことが楽しくなる気がします。
茨木のり子さんは大正生まれの詩人、エッセイスト、脚本家。
学生時代に名前は聞いたような覚えがあります。
↓この詩は何となく知っていました。
せっかくなので、ご紹介します。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄自分の感受性くらい
自分の感受性くらい、茨木のり子
自分で守れ
ばかものよ
言葉の力ってすごい。
何年前のものでも変わらない想いの強さと表現力が心に響いてきます。
私が特にグッとくるのは、「初心消えかかるのを。。。」の部分。
その通りです。
ひよわな志では何も続けられない。
インターネットが当たり前になってもアナログの力が大切なように、どんなに時代が進んでも変わらないものがあるような気がします。
詩集って最近読んでないけど、また探して読んでみようと思います!